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連載開始から長年にわたり多くの読者に愛されてきた漫画の桃組プラス戦記。
ファンタジーと学園ドラマが融合した独自の世界観は、一度読み始めたら引き込まれる魅力にあふれています。
しかし、連載が不定期であることから「物語は完結したのか?」「最新刊はいつ発売されたのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな疑問にお答えするため、『桃組プラス戦記』が完結しているのかどうかをはじめ、最新刊の発売状況やそのあらすじについて詳しくご紹介していきます。
桃組プラス戦記はすでに完結した漫画?
本作が完結しているのか気になる方も多いでしょう。
結論から言えば、桃組プラス戦記はまだ完結していません。
完結はいつ頃になる?
確かに物語の展開としてはクライマックスのような流れにはなってきており「いよいよ終わりが近いのでは」との声も多く見られます。
しかし、実際には連載が非常に不定期で、続きが出るまでに長い時間が空くこともしばしばあります。
その理由の一つとして、作者・左近堂絵里さんの執筆ペースの影響があります。
ときには1年以上新刊が出ない期間もあり、熱心なファンにとっては待ち遠しい状態が続いています。
現在は物語の核心とも言える鬼との最終戦に突入しており、主要キャラの過去や謎も次々と明かされています。
このことから、確実に終盤であることは間違いないでしょう。
ただし、これから物語を読み始める方にとっては、連載の遅さがネックになる可能性があります。
先が気になってもすぐに続きを読めないことがあるため、完結を待ってから一気に読みたいという人も少なくありません。
よって、本作を読むタイミングについては、各自の読書スタイルに合わせて判断するのがよいでしょう。
桃組プラス戦記の最新刊は何巻?
最新巻の内容や発売時期はファンにとって大きな関心事です。
最新刊は第23巻で、販売ぺースは遅めとなっています。
各巻の発売日と収録話数一覧
- 1巻:2006年2月17日(1話~5話)
- 2巻:2006年9月16日(6話~10話)
- 3巻:2007年5月17日(11話~15話)
- 4巻:2008年1月17日(16話~20話)
- 5巻:2008年7月17日(21話~25話)
- 6巻:2009年2月17日(26話~30話)
- 7巻:2009年11月24日(31話~35話)
- 8巻:2010年3月24日(36話~40話)
- 9巻:2010年12月24日(41話~44話)
- 10巻:2012年3月24日(45話~49話)
- 11巻:2013年8月24日(50話~54話)
- 12巻:2014年8月23日(55話~59話)
- 13巻:2015年1月24日(60話~61話)
- 14巻:2015年8月24日(62話~65話)
- 15巻:2016年3月24日(66話~70話)
- 16巻:2016年12月24日(71話~75話)
- 17巻:2017年10月24日(76話~81話)
- 18巻:2018年6月23日(82話~86話)
- 19巻:2019年2月23日(87話~91話)
- 20巻:2019年12月10日(92話~97話)
- 21巻:2021年5月24日(98話~102話)
- 22巻:2022年9月24日(103話~106話)
- 23巻:2024年3月23日(107話~111話)
物語は単なるバトルではなく、登場人物の内面や人間関係の変化にも深く踏み込んでおり、読む側にも感情の揺さぶりを与える展開となっています。
このような展開は読者に強い緊張感と先を読みたくなる引力をもたらします。
ただし、ここまで来ると未読の方にとっては登場人物や設定が多く、最初は少しとっつきにくいかもしれません。
特にファンタジーや転生、学園を舞台とした作品に不慣れな場合、23巻から読み始めるのはおすすめできません。
シリーズを通しての理解と楽しさを得るためにも、第1巻から順を追って読むのが良いでしょう。
このように、第23巻は作品全体の流れを大きく左右するターニングポイントであり、祐喜たちが新たな選択を迫られる重要な巻でもあります。
これからの展開がどうなるか、ますます注目が集まっています。
漫画「桃組プラス戦記」を安く読む方法
桃組プラス戦記は既に20巻以上発売されているので、全巻揃えるとなるとそこそこのお値段になります。
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対応デバイスについては、専用のアプリを必要とせず、スマートフォンやタブレット、PCのブラウザから直接アクセスして閲覧することができます。
ただし、オフラインでの閲覧には対応していないため、常にインターネット接続が必要となります。
桃組プラス戦記の漫画概要
あらすじ:鬼退治の舞台は超巨大な学園都市
桃組プラス戦記の物語が展開するのは、愛譚学園(あいたんがくえん)という空前のスケールを誇る学園です。
この学園は単なる学校ではなく、1万5000人以上の生徒と教職員が暮らす、まるで都市そのもののような独立した社会です。
幼稚園から大学院に至るまでの教育機関がそろい、さらには農場や商業施設までも備えた自己完結型の巨大空間となっています。
この環境は、ただ広大であるというだけでなく、物語上でも重要な役割を担っています。
なぜなら、この学園自体がかつての「鬼ヶ島」の現代版という設定であり、鬼たちの拠点であることが物語の中で明かされているからです。
つまり、桃太郎の生まれ変わりである主人公・祐喜が、学園生活の中で鬼たちと対峙しなければならないという構造が成立しているのです。
この設定により、日常と非日常が混在する場面が多く生まれます。クラスメイトが突然鬼の正体を現すこともあれば、何気ない学校行事が呪い解決の舞台になることもあります。
こうした展開によって、学園という空間が単なる背景ではなく、物語を動かす軸として機能しているのが本作の特徴です。
昔話と現代青春が融合する独自世界観
本作は、日本の昔話をベースにしながらも、現代的な人間関係や青春ドラマと見事に融合している点です。
主人公・桃園祐喜は、桃太郎の生まれ変わりであることを告げられ、18歳の誕生日までに七匹の鬼の呪いを解かなければ命を落とすという運命を背負っています。
この設定はファンタジー色が強いものの、物語の展開はむしろ人間味あふれるドラマとして構築されています。
例えば、鬼たちは単なる悪役ではありません。
多くの場合、呪いを解くには戦って勝つのではなく、彼らと理解し合ったり、心を通わせたりする必要があります。
中には友情や共感が鍵になるケースもあり、登場人物同士の関係性に深みをもたらしています。
このように、「敵を倒す」ではなく「敵と向き合う」という方向性が作品全体に流れており、単なるバトル物とは一線を画しています。
一方で、現代の高校生活をリアルに描く部分にも注目すべき点があります。
テストや部活動、文化祭といった日常の描写が織り込まれ、祐喜たちの成長や葛藤に読者が共感しやすい構造になっています。
そのため、ファンタジーが苦手な読者であっても、登場人物たちの心の動きや人間関係を通じて物語に入り込みやすくなっています。
こうした複層的な世界観の中で、「桃太郎」という古典のイメージを柔軟に変化させながら、新しい物語を創出している点が『桃組プラス戦記』の魅力だといえるでしょう。
ギャグとシリアスが共存する世界観の妙
桃組プラス戦記の魅力のひとつに、笑いと重厚さが同居する独特のトーンがあります。
物語が扱うテーマ自体は「呪い」「転生」「死のタイムリミット」といったシリアスなものですが、その中に巧妙なギャグや軽妙なキャラクターの掛け合いが組み込まれており、読者を飽きさせない工夫が随所に見られます。
その背景には、作中のキャラクターたちがそれぞれに強い個性を持ち、シリアスな状況でも軽快なやりとりを忘れないという描き方があります。
たとえば、極度の忠誠心を持つ雪代が鼻血を吹き出す場面や、猿の咲羽と犬の雅彦が衝突するテンポの良い言い争いは、重苦しくなりがちなシーンに柔らかさを与えています。
ただし、このギャグ要素は単なる息抜きでは終わりません。
物語が進むにつれて、ギャグの裏に隠されたキャラクターたちの本音や過去が明かされ、読者はその軽さの中にある切実さに気づくようになります。
この構成により、読者は笑いながらも感情移入しやすくなり、作品に対する没入感が高まっていくのです。
言ってしまえば、この世界観の妙は「バランス」にあります。極端に暗くなりすぎず、それでいて物語としての深みを損なわない、絶妙なバランス感覚で構成されているのです。
読者は日常と非日常、笑いと涙の境界線を何度も行き来しながら、気づけば作品の世界にどっぷりと浸かっていることでしょう。
美麗な作画と緻密な演出
桃組プラス戦記が読者に深い印象を残す最大の理由のひとつが、左近堂絵里さんによる美しい作画と演出の巧みさにあります。
まず視覚的な魅力として、キャラクターの表情や仕草の描写が非常に細やかであり、セリフがなくとも感情が伝わるほどの説得力があります。
この点は、作品を読み進める中で自然とキャラクターに感情移入できる大きな要因となっています。
その理由は、作者自身がキャラクターの内面と感情を重視して構図を練っているからでしょう。
喜怒哀楽の表現にとどまらず、葛藤や不安、決意といった複雑な心理が、絵の雰囲気やコマ割りの演出によって丁寧に描かれています。
とりわけ、バトルシーンにおけるスピード感や緊迫感の表現は非常に優れており、読者の視線を自然とページへと引き込んでいきます。
たとえば、祐喜が夢の世界に閉じ込められるシーンでは、現実と幻想の区別が曖昧になる演出がなされており、画面全体から不安定な空気が漂ってきます。
このような演出により、単なるストーリーの進行ではなく、読者の心理にも訴えかけるような深い読書体験が可能となっています。
結果として、作品を「読む」だけでなく「感じる」楽しさが生まれ、それが多くの読者の記憶に残る作品として支持を集め続ける理由となっているのです。
続きが気になる!読者レビューに見る熱狂
桃組プラス戦記は、刊行ペースがゆっくりであるにもかかわらず、読者からの期待は一切衰えていません。
それは、実際の読者レビューにも表れており「続きを早く読みたい」「続刊を心待ちにしている」といった声が非常に多く寄せられています。
これは、物語の構成が巧妙で、伏線が多く張られていることが要因の一つです。
その理由として、本作は章ごとに解決する形式ではなく、全体を通じて少しずつ真実に近づいていく構造になっているからです。
一つの呪いが解けたとしても、次に明かされる謎がすぐに用意されており、読者は自然と次巻を手に取りたくなります。
中でも祐喜の出生や、黒鬼たちの目的といった大きな謎は、長期にわたって物語の中心に据えられており、結末を見届けたいという感情を喚起し続けています。
たとえば、読者の中には「数年待っても続きを読みたい」と言い切るファンもおり、そうした熱量はSNSやレビューサイトなどの反応からもはっきりと読み取れます。
連載の空白期間が長くても離れない読者が多いという点は、この作品がただ面白いだけでなく、心に残る深い何かを持っている証拠と言えるでしょう。
このように、読者の期待と熱意が絶えることのない作品であることは、桃組プラス戦記が単なる漫画の枠を超えた「待つ価値のある物語」として、多くの人に受け入れられていることを示しています。
桃組プラス戦記の主な登場キャラクター
主人公:桃園祐喜の運命と成長物語
桃園祐喜は、「トラブル吸引体質」と呼ばれる特殊な性質を持つ少年です。
この体質は単なるギャグ設定ではなく、彼の過去と深く結びついた重要な意味を持っています。
祐喜は桃太郎の生まれ変わりであり、かつて退治した鬼たちによって呪いを受けた存在です。
つまり、トラブルを引き寄せるのは彼の過去の因果に起因しており、本人にとっては避けられない宿命なのです。
その理由は明確で、過去の鬼たちの怨念が今も彼の周囲に影響を及ぼしているからです。
何もしていないのに厄介ごとに巻き込まれる祐喜の状況は、まさにこの呪いの表れであり、物語の核心でもあります。
実際、彼が愛譚学園に転校してからも、鬼に関する事件に次々と巻き込まれていきます。
例えば、物語の序盤では転校早々に桃太郎の生まれ変わりだと告げられ、さらに18歳の誕生日までに呪いを解かなければ命を落とすという事実が明らかになります。
このように、彼の「トラブル吸引体質」はコミカルに描かれつつも、作品全体のテーマと密接に関わる深刻な側面を持っているのです。
この体質は彼にとって試練であると同時に、仲間と出会うきっかけにもなっています。
物語が進むにつれ、彼の行動が周囲の人々に影響を与え、次第に彼自身の価値観や在り方にも変化が生まれていきます。
単なる不運では終わらず、彼の成長の原動力として機能している点が、この設定の奥深さと言えるでしょう。
呪いと向き合いながら絆を築く
桃園祐喜の物語は、「呪いを解く」ことを通じて他者と関わり、自身の運命を変えていく過程そのものです。
この作品の面白さは、呪いを力で打ち破るのではなく、人間関係や信頼を通じて乗り越えていく点にあります。
祐喜が出会う鬼たちは、必ずしも悪そのものではなく、それぞれに過去や事情を抱えています。
その理由として、本作では鬼を単なる敵ではなく、誤解された存在や心に傷を負った人間の象徴として描いているからです。
たとえば、最初に出会う赤鬼・暮内紅は、実は人間との絆を求めていた孤独な存在でした。
祐喜が彼と本当の意味で友達になることで呪いが解かれたように、鬼との向き合い方には、思いやりや対話が必要不可欠なのです。
これを象徴するようなエピソードの一つが、桜鬼・撫子鴇羽との対決です。
彼女の呪いを解くためには、祐喜が彼女の「真の名前」を見つけ出すという極めて繊細な課題に挑む必要がありました。
この過程で祐喜は、彼女の内面と向き合い、単なる勝敗を超えたつながりを築いていきます。
こうした経験を重ねることで、祐喜は少しずつ変化していきます。
かつては孤立していた彼が、仲間と協力し、他者を信頼し、自らの弱さも認められるようになるのです。
呪いという外的な課題を通じて、彼は内面的な成長を遂げ、人とのつながりが持つ力を体感していきます。
言ってしまえば、桃組プラス戦記は桃園祐喜が「孤独から信頼へ」と進む成長譚です。
その歩みは遅くても確実で、読む人に勇気と共感を与える物語となっています。
雉乃木雪代:忠義と純血の象徴
雉乃木雪代は祐喜の仲間であり、雉の生まれ変わりという重要な役割を担っています。
特徴は、誰よりも強い忠誠心と徹底した礼儀正しさです。
物語の中で雪代は、常に祐喜を守ろうと行動し、その姿勢が彼の生き方そのものになっています。
祐喜に近づく者に過剰に反応し、鼻血を出す描写は、ギャグとして機能しつつも、彼の誠実な感情の現れでもあります。
その理由は、60年ぶりに誕生した純血の雉の獣基であり、幼少期から厳格な教育を受けてきた背景にあります。
血統を重んじる家系に生まれたことで、他者への接し方や物腰の柔らかさが自然と身についているのです。
その一方で、常に周囲から高い期待を受けて育ったため、感情の出し方に不器用な面も見られます。
作中では、彼女が祐喜に仕えるため学生寮にまで引っ越す場面が描かれ、忠義が形式だけでなく行動にも表れていることがわかります。
前述のような演出は一見過剰に思えるかもしれませんが、彼の立場や育ちを考えれば、むしろ自然な表現です。
祐喜にとって雪代の存在は、精神的な支えであり、時に行動の原動力にもなっているのです。
高猿寺咲羽:炎のように熱い従兄弟
高猿寺咲羽は、猿の獣基であり、祐喜の従兄弟でもある人物です。
彼の最大の特徴は、感情に素直で、誰よりも仲間思いな性格にあります。
短気で喧嘩っ早い一面を持ちながらも、いざという時には誰よりも行動が早く、仲間のために命を張る覚悟を見せることも少なくありません。
その背景には、彼が「正獣基」としての責任を背負っていることが関係しています。
彼の家系は代々申(猿)の血を受け継いできた家であり、祐喜の母もまた猿の獣基だったことから、彼とは血縁的にも精神的にも強い繋がりがあります。
そうした家系のプレッシャーの中で育ってきたことが、彼の中にある強い使命感の源になっているのでしょう。
具体的には、強化合宿で行われた「鬼ごっこ」で祐喜が「視覚」の能力を覚醒させる場面でも、咲羽は常にリーダー的な役割を果たしています。
表面的には荒っぽく見える彼の行動ですが、常に祐喜の成長を促そうという意図が見て取れます。
彼の内面にある繊細さや優しさが、激しい外見とは対照的に、物語に温かさを与えているのです。
犬飼雅彦:優しき守護者
犬飼雅彦は、犬の獣基としての役割を持ちながらも、最も地味で目立たない存在に見えるかもしれません。
しかし実際には、彼こそが獣基トリオの中で最も安定した感情の持ち主であり、祐喜にとって欠かせない存在です。
礼儀正しく物腰も柔らかい彼の態度には、強い意志と深い信頼が隠されています。
このように言うと、彼の役割が控えめに聞こえるかもしれませんが、実はその奥にある覚悟と責任感は非常に重いものです。
彼は祐喜を守るためであれば、自らの危険を顧みず行動することも辞さない人物です。
特に、彼が能力を覚醒させた場面では、その意志の強さが印象的に描かれています。
たとえば、彼は寮に住む仲間たちと違い、自宅から通学しています。
しかし本音では、自分も皆と共に寮で生活し、もっと近くで祐喜を支えたいと感じているのです。
こうした内なる葛藤は目立ちませんが、彼の誠実さと人間的な魅力の源となっています。
そのため、犬飼雅彦は表立って目立つキャラクターではないものの、作品全体のバランスを保つ上で非常に重要な存在です。
彼のような静かな強さがあるからこそ、祐喜もまた安定して前に進むことができるのです。
敵か、友か?個性派ぞろいの「鬼」たち
桃組プラス戦記に登場する鬼たちは、単なる敵として描かれていません。
むしろ、祐喜が彼らと向き合う過程こそが物語の核であり、それぞれの鬼が持つ事情や心情に触れていくことが物語を動かす原動力となっています。
その理由は、鬼たちが桃太郎によって倒された過去の因縁を背負っている存在であり、彼らの抱える「呪い」は物理的な攻撃では解けないことが多いためです。
呪いを解くためには、鬼の心を理解し、時には思いやりを示す必要があります。
敵対関係の中にも共感や対話が求められるという点が、この作品の人間味を大きく引き立てています。
たとえば、最初に登場する赤鬼・暮内紅は、実は人間と友情を築きたかったという純粋な想いを持つ人物でした。
祐喜が彼と真の意味で友達になることで呪いが解けたように、鬼の「悪」とされる部分の多くは、誤解や孤独から生まれたものです。
鬼を敵として倒すのではなく、その内側にある感情や過去に寄り添い、理解を深めることが必要なのです。
このように、鬼たちは祐喜の成長にとって不可欠な存在であり、単なる障害ではなく、彼自身が変わるための鏡のような役割を果たしています。
悪役に見えるキャラクターが、実は物語を通じて最大の味方になり得るという構造は、読者に強い印象を与えるでしょう。
泣いた赤鬼から言霊使いまで、元ネタも奥深い
桃組プラス戦記に登場する鬼たちは、オリジナルの創作キャラクターというだけでなく、日本の昔話や伝説に基づいた背景を持っている点も見逃せません。
それぞれのキャラが元ネタとどのように結びついているかを知ることで、作品の理解がより深まります。
その一例が「泣いた赤鬼」に登場する赤鬼と青鬼をモチーフにしたキャラクターたちです。
赤鬼の暮内紅は、外見はクールでも実は人間との関係を求める繊細な心の持ち主であり、元ネタの物語が持つ哀しみや優しさが反映されています。
青鬼である竜胆宵藍もまた、彼を守ろうとする立場で登場し、忠義の象徴として描かれています。
さらに、紫鬼・樗桔梗や桜鬼・撫子鴇羽なども、それぞれ「こぶとりじいさん」や「大工と鬼六」といった昔話にルーツを持っています。
特に鴇羽は「言霊使い」として登場し、呪いを解く鍵が「真実の名前」にあるという設定は、言葉の力が現実を変えるという古来の信仰をベースにしています。
こうした元ネタの知識があると、キャラクターの行動や内面の意図がより鮮明に理解でき、物語の楽しみ方が広がります。
昔話を下敷きにしながらも、現代的なキャラクター造形やドラマに昇華されている点が、この作品の奥深さを際立たせていると言えるでしょう。
桃組プラス戦記は完結した?まとめ
桃組プラス戦記は、昔話の桃太郎をベースにしながらも、現代的な学園設定や複雑な人間関係を巧みに織り交ぜたファンタジー作品です。
まだ完結していない作品で、最新刊は2025/05月現在、23巻となっています。
祐喜を中心とした成長物語や、鬼との共感を軸とした呪い解決の展開は、読者に深い感情移入を促します。
巨大な愛譚学園を舞台に、ギャグとシリアスが見事に融合し、物語の重厚さを感じさせつつも読みやすさを失わない点も魅力の一つです。
美麗な作画や緻密な構成により、刊行ペースが不定期であっても熱心なファンが離れないのも頷けます。
長期連載でありながら新鮮さを保ち続けるこの作品は、ただの学園ものやファンタジーではなく、読後に強い余韻を残す物語として多くの読者の心を掴み続けています。