ミステリーとホラーが融合した人気作「小悪魔教師サイコ」は、学校を舞台に教師と生徒の関係が描かれる作品です。
この作品の原作や、気になるコミカライズの展開について知りたい方も多いのではないでしょうか？
この記事では、原作の詳細や単行本の最新巻が何巻まで出ているかをご紹介します。
また、話題となっている訴訟問題についても最新情報をお届けします。
小悪魔教師サイコの原作はチャット小説
小悪魔教師サイコの原作となる書籍は「e-Storyアプリpeep（ピープ）」で連載していた小説になります。
peep（ピープ）はオリジナルの小説やマンガを提供する電子書籍アプリで、無料漫画アプリのようなものと思っておくといいでしょう。
しかし、普通の小説とは違って、チャット小説となります。
チャット小説は、登場人物同士のメッセージのやり取りがまるでチャットのように進行する形式の小説で、短いセリフや文章が次々と表示されるのが特徴です。
この形式はスマホでの閲覧に最適化されており、物語のテンポが速く、読みやすいのが魅力です。
また、チャット風の対話が物語の中心になるため、臨場感があり、登場人物同士の関係性や感情が伝わりやすいのも特徴です。
特に、サスペンスや恋愛、ホラーなど、緊張感や感情のやりとりが重要なジャンルでよく活用されており、気軽にエンターテインメントを楽しみたい読者に人気があります。
専用アプリやSNSで多くの作品が公開されているため、読者は気軽にいろいろなジャンルの作品を楽しむことができます。
小悪魔教師サイコの原作は今でも配信しているので読めますが、一部は待てば無料のシステムが採用されているので、小説家になろうのようにスムーズに読むことは出来ません。
電子書籍もチャット小説のまま読める
小悪魔教師サイコの電子書籍版は、原作チャット小説の魅力をそのまま楽しめる形式となっています。
この漫画の原作はチャット形式の小説であり、ウェブ小説のように登場人物たちがリアルタイムで会話を交わす様子が特徴的です。
電子書籍版ではその独特なスタイルを見開きページいっぱいに再現しており、まるで自分もチャットの会話に加わっているかのような臨場感を味わえます。
ウェブ小説の読者にとっても、漫画の物語を追う上で原作に近い感覚を再体験できる点が大きな魅力です。
登場人物のやり取りがスピーディーに進行し、その場面ごとに漂う緊張感や微妙な感情の揺れ動きを直接感じ取ることができます。
特に、「小悪魔教師サイコ」における登場人物たちのダークで鋭い心理戦が、このチャット形式によって鮮明に描き出され、読者をぐっと物語の中に引き込んでくれます。
小説は完結済みになっている
原作小説は全202話で完結しています。
読者は最後まで物語を追うことができ、キャラクターたちの結末にたどり着くことができます。
しかし、漫画版についてはまだ完結しておらず、連載が一時停止したまま再開の時期も未定となっています。
漫画版のファンにとっては気になる点ですが、原作が完結しているため、その先に何が待っているのかを小説で予習することも可能です。
物語の原作がすでに完結していることで、キャラクターたちの行動や心理描写、物語の流れを深く理解することができます。
また、小説と漫画それぞれの形式によって異なる魅力を感じられるのも「小悪魔教師サイコ」の面白いポイントです。
漫画が再開された際には、原作小説を読んだ後の楽しみがさらに広がることでしょう。
単行本の最新巻は何巻？
原作小説は全12巻で完結していますので、最新巻は第12巻です。
原作小説の全体像を把握したい読者には12巻までの内容が完全な形で提供されており、その物語の深みを味わうことができます。
一方、漫画版については現在3巻が最新巻となっています。
- 1巻：2021/10/28（1話～6話）
- 2巻：2022/05/19（7話～12話）
- 3巻：2023/01/19（13話～18話）
漫画の方はまだ完結しておらず、3巻が現時点での最新巻となっているため、多くの読者が続きの展開を待ち望んでいます。
漫画ならではの迫力あるシーンや繊細なキャラクターの表情を楽しみたいファンにとっては、再開が待ち遠しい状況です。
漫画と小説それぞれの媒体が補完し合い「小悪魔教師サイコ」の世界をより立体的に楽しめるようになっているのも、ファンにとって大きな魅力と言えるでしょう。
裁判は和解成立で解決へ
漫画版は2種類の作画バージョンがあり、若干ストーリーに違いはあるものの、大まかな内容は同じとなっています。
それがきっかけとなり、不本意ながら漫画そのものの話題だけでなく、裁判などでも話題になってしまったのです。
以前、小悪魔教師サイコのコミカライズ（漫画化）を巡って、漫画家の合田蛍冬さんと出版社のぶんか社の間で、作品の扱い方について問題が起こり、裁判にまで発展しました。
合田先生は、先に小悪魔教師サイコの漫画を連載していましたが、その後、ぶんか社が別の漫画家に同じ作品の別のバージョン（ウェブトゥーン）を作らせたのです。
このことについて、合田先生は「自分の作品に悪影響がある」と考えました。
自分の描いている漫画の価値が下がってしまう」「ファンにとっても混乱するのではないか」と感じ、損害賠償（お金での補償）を求めて、ぶんか社を相手に裁判を起こしました。
漫画家としては、自分の作品がどう扱われるかは大切な問題であり、合田さんは作品やファンを守るために訴えを起こしたのです。
最終的には、2024年9月に和解が成立して解決しました。和解によって、合田さんとぶんか社は、今後の作品の扱い方やお互いの権利について話し合い、合意したとされています。
小悪魔教師サイコの漫画概要
あらすじ： 闇を暴く新任教師の恐るべき正義
主人公の葛西心春は私立睦月高校へやって来たばかりの新任教師。
しかしそのクラスは問題児だらけであり、前任の担任は生徒からのいじめにより精神的に追い込まれてしまい、自殺未遂してしまうほどでした。
結局他の教師たちもそのクラスを受け持つことは断固拒否したため、新任の葛西心春が受け持つことに。
23歳の美人教師でスタイルも抜群な心春は、男子生徒からセクハラまがいのことをされたり嫌がらせを受けることに。
女子生徒からも嫉妬や僻みから嫌がらせをされるのですが、全く気にしていない様子で日々を過ごしていきます。
そんなある日、いじめを受けていた1人の女子生徒が心春に助けを求めた事により、心春のサイコパスな正義感に火をつけ、恐ろしい事件が引き起こされる事に…。
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ネタバレ：就任からサイコパスな姿を見せるまで
冒頭で不気味な表情を見せており、いつかは何かやらかす雰囲気がありますが、序盤は比較的穏やかなストーリーが続きます。
心春に対する嫌がらせの数々を軽くあしらっていき、大人と子供の差をまざまざと見せつけていく心春。
フラストレーションが溜まった女子生徒の金沢綾羽たちは、鬱憤を晴らすためにアザミという同級生をイジメていました。
そして綾羽はアザミに「葛城小春を階段から突き落とせ」と命令します。
弱みを握られていて逆らえなかったアザミは、階段で心春に手を伸ばすのですが良心から実行する事ができず、
命令に背いて心春に謝罪し、事の成り行きをうち明けました。
イジメの話しを聞いた心春はアザミを助けると言い、不敵な笑みを浮かべながらその場を去っていく事に…。
サイコパスな心春
これまで天然でおっとりしたイメージの心春でしたが、宅配業者を装って綾羽の家を訪ねると、隙をついて顔面に強烈な一撃を喰らわせます。
両親が海外にいる事を事前に調べていた心春は、そのまま家で綾羽を殴り倒すと手足を縛って拘束。
部屋にあったナイフで両目、両胸、下半身をえぐり、猟奇的な殺人を犯しました。
翌日、朝のホームルームで綾羽の死を報告する心春。
悲し気な表情を浮かべてはいたものの、平然とした態度で普通に授業を始めます。
綾羽の彼氏であり、クラスを仕切っていたリーダーの秋月竜斗は心春を疑い始めるのですが、心春の策略により容疑者に仕立て上げられており、なかなか身動きが取れない状態になっていました。
しかし過去に自分の兄を階段から突き落とし、植物人間の状態にした犯人が心春だと確信すると心春を罠にかける決心をし、仲間を使って人気のない教室に呼び出すのですが…。
見どころ：サイコパスな正義感
本作のタイトルだけ見ると、ちょっとエッチな雰囲気を感じる方も多いと思います。
確かにお色気要素が無くはないのですが、本作のメインはあくまで「サイコ」の部分です。
最初は「サイコ」という教師が何かをするのかと思うかもしれませんが、サイコパスな女教師が色々と恐ろしい事件をしでかすという、思いもよらない展開が見どころの1つ。
「悪者を粛正するためにはサイコパスな行為を行っても良い」という歪んだ正義感を持っており、ただ単に殺害するだけでなく、かなり猟奇的な方法でターゲットを粛正していきます。
そして、サイコパスなストーリーが見どころだけではなく、なんと言っても主人公である葛西心春のキャラクターが見どころとなっています。
普段は天然な美人教師といったキャラになっており、羞恥心がほとんどありません。
そのため水をかぶって下着が透けても全く気にする素振りすらなく、普通にホームルームを続ける事も。
人心掌握の能力にも長けており、敵視していた女子生徒たちもいつの間にか味方に付けたりします。
かと思えば利用できる人間は誰でも利用するしたたかな性格を見せたり、つかみどころのないキャラが魅力となっています。
レビュー：善悪の境界線を越えた復讐劇が魅力の漫画
小悪魔教師サイコを読み、非常に多くの感情が巻き起こりました。
この作品は一見、小悪魔的な女性教師が登場する物語のように見えますが、実際にはもっと深いサイコロジカルなテーマに満ちています。
主人公・葛西心春先生の、可愛らしい外見とサイコパス的な一面との対比が、物語の最大の魅力だと感じました。
彼女は生徒の幸せのために全てを犠牲にする覚悟を持ち、その手段には決してためらいがありません。
その冷酷さと、時折見せる優しさのギャップに魅了されました。中でも印象に残ったのは、いじめ問題に対しての独特な視点です。
いじめっ子たちに対する葛西先生の「制裁」は非常に過激で、現実世界では絶対に許されない行動です。
しかし、その過激さが逆にいじめられた人々にとって一種のカタルシスとなり、心のどこかで「これくらいしてもいいのではないか」という思いを引き起こしてしまいます。
この描写が、読者にとってのスッキリ感をもたらすと同時に、道徳的な問いを投げかけてくる部分でもあります。
読み進めると徐々にどんな内容か分かってきて「この後いじめっ子が痛い目に合うんだろうな」程度にしか思っていなかったのですが、思っていた5倍くらいのサイコパスな展開に思わずドン引きしてしまうシーンもあります。
また、作画家である合田先生の描くキャラクターたちは、特に葛西先生の表情の幅が広く、彼女の内面の複雑さを的確に伝えています。
合田先生の繊細でありながらも強烈な作画スタイルが、物語の持つ狂気を上手に中和し、読者としてその世界観に引き込まれてしまいました。
この作品にとって、合田先生の作画がなければ成り立たなかった部分も多いのではないかと感じます。
そして、作品に関するトラブルについても非常に心を痛めました。元々の連載が中断され、後発の同タイトルのカラー版が別の作画家で始まったというニュースには驚きと戸惑いを感じました。
何より、漫画家が自身の作品を最後まで描き切る権利を尊重してほしいと強く願います。
物語としては、暗く、残虐な部分が多いものの、だからこそ人の心の闇や復讐の欲望を鋭く描き出すことができているように思います。
倫理的な問題を抱えつつも、この作品が私にとって目を離せない存在であるのは、葛西先生のキャラクターと、その描かれる世界の魅力が強烈だからです。
次の展開がどうなるのか、再び葛西先生の物語に触れられる日を心から楽しみにしています。
グロイ描写が苦手な人にはちょっとおススメ出来ませんが、良くも悪くもぶっ飛んだ主人公なので、狂った女性キャラが好きな人にはおススメしたい作品です。
小悪魔教師サイコの原作は？まとめ
小悪魔教師サイコは、e-Storyアプリ「peep（ピープ）」で連載されていたチャット形式の小説を原作とする作品です。
この作品はチャット小説という、登場人物たちのメッセージがリアルタイムで進行する形式を取っており、その独特なスタイルが物語のスピード感と臨場感を引き立てています。
電子書籍版では、このチャット形式の原作が見開きページでそのまま再現されており、まるで登場人物たちの会話に直接参加しているかのような感覚を味わうことができます。
原作小説は全202話で完結しており、物語の最後まで追うことが可能です。一方、漫画版については現在3巻まで刊行されていますが、連載は一時停止しており、再開の時期は未定です。
原作小説は全12巻で完結しており、最新巻は第12巻です。また、漫画版は全3巻が現在の最新巻となっています。
また、「小悪魔教師サイコ」の漫画版を巡る裁判問題も注目されましたが、2024年9月に和解が成立し、双方で今後の作品の扱い方について合意されました。
「小悪魔教師サイコ」は、葛西心春という新任教師が問題児クラスに立ち向かうというストーリーを持ち、彼女のサイコパス的な正義感が次第に恐ろしい事件を引き起こしていく展開が魅力です。
原作と漫画、それぞれの形式が持つ独特の魅力を味わいながら、「小悪魔教師サイコ」の世界を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。
